【読書】そしてミランダを殺す

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どんでん返しが面白いミステリーとしてしばしばネットで紹介されている本作。海外作品て気合を入れないと中々読めないのだが、今回は興味が勝って読んでみることにした。

読んでみるとテンポよく、どんでん返しというほどではないけど展開が二転三転して面白く読み進められた。
ミステリーというよりはサスペンスかなと思う。

(ネタばれあり)

物語

物語の構成も特徴的で、全編登場人物の視点で語られる。
全体は三部構成で、
第一部は殺人の計画
第二部は殺人の実行
第三部は殺人の後始末
といった感じだろうか。

主軸のストーリーはタイトル通り、妻ミランダの浮気を知った夫のテッドが彼女を殺そうとする話だ。
偶然その話を知った女性のリリーが、テッドの手助けを申し出て、そこから話が進んでいく。
新しい家の建築の手続きなどをセクシーな妻ミランダに任せていたら、妻が建築業者のブラッドと関係している場面をテッドが見てしまったというのだ。

第一部

ミランダを殺すための準備をしているテッドの現在と、リリーの過去が交互に語られる。
テッドの迷いやリリーに惹かれていく過程から見えるのは、彼は実業家で金持ちなんだけどこの登場人物の中では普通の人間なんだなというところだ。妻の殺害を企てる部分以外は真面目な人間に見える。
一方リリーの過去は、彼女がどのような経緯でサイコパス化していったのかを知ることができる。
そして第一部の最後が一番驚いたのだが、ミランダの浮気相手であるブラッドに、テッドが殺されてしまうのだ。
なんと、ミランダの方が先手を取っていたのかと。
テッドが主人公で復讐を成し遂げる話だとばかり思っていたので、衝撃の展開だった。

第二部

第二部は残されたリリーと、ターゲット側であるミランダの視点で語られる。
そして第二部に入ってすぐにまたしても驚かされる。なんとミランダは、大学時代にリリーの彼氏エリックを奪ったフェイスだった。
ここら辺はうまい仕掛けだなと思った。リリーはテッドの協力者の立場だったが、ミランダがテッドの復讐の相手であると同時に、自分にとっての復讐の相手ともなった。
そしてミランダが大人しくしているわけでもなく、リリーのことに気付く。
リリーとミランダどちらが相手を殺すか対決になる。ここまで来ると驚きというよりも先がどうなるか気になってどんどん読めてしまう。
なんとなく主人公ぽいポジションに立ったリリーが成し遂げる。

第三部

第三部はリリーと刑事キンボールの視点で語られる。
第二部で成し遂げたリリーだが、死体の処分をしないといけない。
過去と同じように実家の近くの古井戸に投げ込んで隠すことにした。これでうまく終わったとリリーは思っただろう。
だがそこでリリーを怪しむ刑事キンボールが現れる。それまでうまく対処してきたリリーも逮捕されてしまう。
ところが幸運にもキンボールのミスで乗り切れそうな展開になり、もしかして逃げおおせる結末なのかなと思いきや、最後の最後で父親から来た手紙の内容が、彼女の年貢の納め時であったことを示して終わる。

感想

第二部までは海外の作品にありがちな回りくどい表現とか、本編にほとんど関係ないエピソードみたいなものが少なくどんどん読み進められた。リリーはサイコパスで犯罪に躊躇が無いのだけど彼女を応援したくなってしまう。なんか、悪の教典の上巻を読んでいるような気分だった。
第三部は頭もよく落ち着いたリリーにしては浅はかなミスをしているなぁという部分もあり、事件の後なのでテンポが緩くなるせいか間延び感があったかな。
でも、続きが気になる面白い作品であることは間違いない。

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そしてミランダを殺す (創元推理文庫) - ピーター・スワンソン, 務台 夏子
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