【ドラマ感想】モンスター
『モンスター』は惜しい作品だった。
いわゆるリーガル物。型破りだけど無双する弁護士が主人公。常識人だけど有能な相棒。
この作品だと主人公の弁護士が趣里演じる神波。常識人がジェシー演じる弁護士の杉浦。
基本的には一話完結だが、それらが最終話に向けてつながりがあることがわかる。最近のドラマの基本に忠実という印象。
最高潮は第一話だった
初回は面白かった。裁判が進むにつれて、最初に思っていたものと真相が変わるのはドラマの定番だが、その部分も楽しめるものだった。
そして何より良かったのは、善人だと思わせる演出をしていたカウンセラーの梅本が実は事件を誘導していたらしいが、事件の直接の原因ではなかったので罪には問われなかったこと。そして神波がそれに気づいていずれ追及するって梅本にささやくところ。
ここで今後にすごく期待してしまった。今後もこの梅本がちょいちょい登場していずれ対決するのだろうなとか、こうやって善人を装った狡猾な犯罪者が色々登場してそれと対決するんだろうなって勝手に想像していた。
ところが、その後この期待に沿うような展開は無かった。
キャラクターは無難
神波先生が法廷で冷静だけど鋭く追及していく部分は特徴があって面白かった。法廷のシーンはテンポが良くて楽しめる。
ただ、全体的に事務所側の人間が基本に忠実な設定とキャラなので、あっさりしすぎている。あっさりは嫌いじゃないのだが、もうちょっと背景を描いても良かったのかなと物足りなさを感じた。
それと、神波が最終話で説明会への参加者に対して感情的に訴えるシーンは違和感があった。ああいうキャラじゃないから面白かったのに。
粒来の登場がちょっと多かった
この物語では他の登場人物の背景はあえて描かずに神波の背景に焦点を当てたのかもしれない。粒来という特殊な父親との関係を徐々に明らかにしていく流れだった。ただ、それは味付け程度でよかったというのが正直な気持ちだ。
父親に一度負けて、その後逆転する、のせいぜい二回登場するくらいで良かったかな。むしろ父親の存在感が大きくなりすぎた。
結局モンスターって?
ドラマタイトルのモンスターがなんだったのか?
神波が裁判をゲームとしてとらえて勝っていくから?
初回の梅本みたいに正体を隠している犯罪者のこと?
それとも飄々としている父親?
なんか、モンスターってタイトルほどの強烈さが無かったかな。
総評
期待していたんだけどなぁ。安定感があったものの初回を越えられなかったというのが感想。
次のシーズンはある?梅本との対決は映画かSPとかである?
趣里が作り笑いなのかよく笑うシーンがあったが、あれはなんか愛嬌があってよかった。あと、ギャルの格好しているのは意外に似合っていたな。


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