【ドラマ感想】Destiny

テレ朝のサスペンスは掘り出し物だったりすることもあるので、今回の石原さとみ復帰作はきっと力が入っているだろうと期待して観ていた。
初回で30代の俳優陣が大学生役を演じて事件の発端となるストーリーが語られる点も含めて、力が入っている気がした。
確かに途中までは面白かったんだよなぁ。でも後半肩透かしな感じで終わった。
主演の石原さとみは、父親のことや大学時代のことが関連している事件に巻き込まれているが、しっかり芯を持った検事を熱演していた。
一方で相手役の亀梨和也は、まあジャニーズのタレントだなって感じ。ジャニーズタレントは総じてセリフが聞き取りづらいのなんとかならないかなぁ。
他の俳優陣は演技もうまくてストレス無く観れた。だが、ベテラン俳優をチョコチョコっとしか使っていなかったのは予算の都合だろうか。
あと、田中みな実は情緒不安定な感じをうまく演技していたと思う。
ストーリーは、二軸ある。
その田中みな実演じるカオリの運転する車が事故を起こし、カオリが死亡する。そして同乗していた亀梨演じる真樹が姿を消す事件が一本の軸となる。
もう一本の軸は、石原さとみ演じる奏の父が関わった、政治家の汚職事件についてだ。証拠が捏造されたとしてその政治家は無罪となり、検事として捜査をしていたが追い詰められた奏の父親は自殺する。
この二つがどうつながっているのかっていうのが引きのポイントで、これの真相が知りたくてずっと観ていたようなものだ。
奏と真樹のラブストーリーは言わば箸休め的なもの。
(ネタばれあり)
だが、その真相が肩透かしだった。政治家が無罪になったのが政治家の父親である元総理の差し金なんていうのは、観ていれば誰でも想像がつくのでまあそんなもんだろうという感じ。
むしろカオリの事故死が事故死じゃなくて実はその汚職事件絡みの殺人だったのかという点で興味を引っ張っていて、どんな驚く真相があるのかと楽しみにしていた。そしたら、カオリの単なるヒステリーだったというオチ。
他にも怪しそうな要素をいくつか散りばめていたが、それも特に怪しくもなく、いたってシンプルなオチだった。
奏とカオリはなぜ真樹に惚れているのかさっぱり理解できないほど、真樹は魅力に乏しいキャラだった。自分勝手なだけで、ストーリーの主軸での解決に全く貢献していない。おまけにずっと未練がましい。
奏を支えた貴志の方がよほど優秀で人格も優れている。そういえば貴志を演じているのが安藤政信だったので、本当は彼が黒幕っていうオチを期待している自分がいたが、それは叶わなかった。
結局何がDestinyだったんだろう。ロミオとジュリエットのように親が敵同士なのに惹かれあうのが、禁忌だけど運命的って言いたいのだろうか。だが、そこはくしくも真樹の父親である野木浩一郎が言っていたように、子供が誰と付き合おうが自由だってことで、観ていて全然ピンとこなかった。


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