【映画感想】岸辺露伴 ルーヴルへ行く

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ジョジョの世界の実写化としては異例の成功と言える、NHKのドラマ『岸辺露伴は動かない』。本作はその映画化作品であり、テレビドラマと同じく原作がありそこを少し変えながら映像化されている。

NHKのテレビドラマ版は全て観ていたし、個人的に好きな作品である。
あの独特の不気味さとサスペンスっぽさと、スタンドや超自然的な存在をうまく現代社会に当てはまるように表現していた。

この映画もテレビ版の雰囲気そのままに表現されている。
とかく映画版にすると不必要に派手で、作品にそぐわないアクションシーンがあったりするのだけど、本作はそういった余計な演出は無かった。
ジョジョは読んでいるのだが、岸辺露伴は露伴は動かないや本作品の原作は読んだことは無い。ただ、岸辺露伴と泉のコンビが健在なので違和感なく世界に入っていける。泉は美人で面白くてなくてはならないキャラだね。

(ネタばれあり)

物語は、露伴が若かりし頃に謎の女性奈々瀬から聞いた「この世で最も『黒い色』という色を見たことがあるか?」という問いかけをふとしたきっかけで思い出し、その謎を追ってルーヴル美術館に行くというお話。
その黒にまつわる真っ黒い絵によって怪事件が起きていく。

そしてその黒い絵に絡んで露伴がルーブルに行くきっかけとなった別の犯罪を暴くことにもつながる。
安藤政信は登場したときから胡散臭い雰囲気を出していたもんね。

木村文乃はきびきびした女性を演じるイメージだったのだが、若かりし頃の露伴のシーンでは奈々瀬が色気があって妖しい雰囲気を発揮していた。

その犯罪と黒い絵にまつわる怨念のようなものから逃れることで事件自体は解決する。
その絵を見た者には自分の過去のトラウマと直面させる能力が秘められているのだ。
トラウマと直面する能力の発動については、個人的には序盤のトラックに追いかけられているのが一番緊張感があったかな。

事件は解決したが、ここで終わったらあの絵がなぜ誕生したのかと奈々瀬は何者だったのかが解決しないままになってしまう。
邦画だとたまにそういう宙ぶらりんにされることがあるのだが、本作ではしっかりその起因となる物語もそのあとに用意されている。
絵の誕生部分が若干長い気がしたが、でも邪悪な絵の理由も説明されているので、伏線回収には必要なエピソードだった。

気になったのは、仁左衛門の描いた奈々瀬の絵が明らかに写実的だったことだ。しかしきっと彼は西洋美術も学んでいたからだろうという思って納得することとした。物語の展開に大きく影響する点ではないしね。

というわけで、テレビドラマを踏襲した雰囲気も良く、ミステリーと不気味さを適度に楽しめる作品だった。
フランスの現地コーディネータの役で出演している美波って、確か以前NHKのドラマで沖縄県民の役で出ていた記憶があり印象的だった。
岸辺露伴 ルーヴルへ行く (ジャンプコミックスDIGITAL) - 荒木飛呂彦
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