【読書】麻倉玲一は信頼できない語り手

asakura.jpgミステリを読みたくなって本屋に立ち寄ったときに見つけた作品。
「徳間文庫大賞2022受賞」「震撼サイコサスペンス!」「このラストは革命的!騙された!!」という宣伝文句を見て、大外れは無さそうだなと思って読んでみた。たまに○○大賞の本で外れもあるけどね。

感想としては、楽しめたし、ラストは予想できなかった。でもサイコサスペンスっていう感じでもなかったな。
「信頼できない語り手」というのはミステリの有名な手法で、『アクロイド殺し』みたいに視点が限られているのでミスリードされやすい作品であるらしい。なので、そういう作品なんだと思って読む読者を対象としているに違いない。

ネタばれ感想

死刑が廃止されて28年後の日本で、最後の死刑囚である朝倉玲一に、主人公であるフリーライターの熊沢克也がインタビューに行くという内容。
収監されている拘置所はクローズドサークルのような設定で、時代設定も現代っぽいので近未来SFみたいな世界観だろうか。

レクターのような朝倉玲一から彼が起こした事件について、冴えない克也が話を聞いていくという展開がずっと続いていく。
拘置所を運営するエターナル警備保障の人間と朝倉や克也が時折もめたりするが、克也本人も読者も変な環境だなって思うに違いない。

「信頼できない語り手」の展開として克也に何かあることは予想できるのだが、オチとしては、この環境が克也を誘拐するためのものだというのは想像できなかった。克也にはそれと分からないようにして。
なので『仮面山荘殺人事件』に近い展開かなという気がする。

手軽に読んで楽しめるミステリだな。
麻倉玲一は信頼できない語り手 (徳間文庫) - 太田忠司
麻倉玲一は信頼できない語り手 (徳間文庫) - 太田忠司

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