【映画感想】シン・エヴァンゲリオン

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本放送当時のTVシリーズから観ていた自分としては、ついに物語を終わらせるということなので、その幕引きを観てやろうという気持ちで観に行った。
TVシリーズの中盤まではSFと謎解き要素を散りばめた娯楽作のような感じだったのに、
後半は登場人物が他人との距離感を図る、精神世界の葛藤のような視点が中軸になっていってた。

正直いうと旧劇でストーリーは完結していると思っていたので、この新劇場版四部作は岡田斗司夫氏が言ってたみたいに飯のタネという部分が大きいのだろうという印象が強かった。

旧劇を振り返ってみると
ちなみに旧劇も理解が難しい内容だったが、結論としては以下にまとめられると思う(こう理解しないと先に進めなかった)。
・ゼーレは「人類補完計画」という名のサードインパクトを起こして、人間を単一の完全体にしようとしていた
・ゲンドウはゼーレの目的を利用してユイに会いたかった(?)
・判断をゆだねられたシンジは単一ではなく他人のいる世界を望んだ

旧劇の最後、シンジとアスカが新時代のアダムとイブになったのかなぁなんて思えたし、
旧劇の最後に他人と居ることを望んだことで、シンジの成長が見れて一件落着って思えたんだよなぁ。

新劇は監督が繰り返しの物語と語っているように、旧劇後の世界なんだろう。
物議をかもした『Q』については、理解しなくていいかなって思った。
新劇についてはレイがシンジに対して積極的な感情を持っているので一層可愛らしくなっていた。

シン・エヴァの感想
この作品は全てのエヴァンゲリオンの清算のためのエピソード。

ストーリーだけ追えば、後半のシンジ対ゲンドウのところまでは大方端折っても問題ない。ほぼすべてがそこに集約されている。
フォースインパクトとアディショナルインパクトの区別が俺には分からなかったが、ゲンドウが死んだユイと会いたいがために人類を一つの個にしようとしているという目的は旧劇と同じなのかな。
ゲンドウこそが他人とのコミュニケーションを図れないために、人類を巻き込んでこんなことをしでかしたということらしい。
もう、使徒とどうこうって部分は重要じゃなくなちゃったね。

ちなみにゼーレの人類補完計画との差は最後まで俺には分からなかった。
あと、槍が〇〇インパクトを起こすためのトリガーになっていることは理解できた。

第三村や後半の主要登場人物の独白など、今回は初期からのキャラクターのセリフが多くあり、やっと内面の説明がなされる作品でもあった。
最終的にシンジはエヴァの無い、それでいて他人がいる世界に戻すことを決めた。
旧劇と違って、ここら辺は映像も音楽もキャラクターの心情的にも明るく描かれている。
精神世界の葛藤という面ではエヴァンゲリオンの総決算ということなんだろう。

映像的にはアクションにしても格好いい表現が多くて、そこは楽しんで作っていたんだろうなぁという気がする。
多分ストーリー上は必要なくても映画としては動きやアングルなど楽しめる。
用語とかは最後まで意味の分からない言葉が残ったが、ストーリー上の影響はあまりない。

これにてエヴァの呪縛から庵野監督は解放されたということなのでしょうか。
この作品の本質は、他者との接触に敏感なシンジの成長を通して、それでも他者と接することは良いこともあるという啓蒙みたいなものだったのかな。

一つ残念だったのは、TVシリーズから一貫して綾波ファンだったので、シンジがレイとくっつかなかったことだ。
マリは本作でかなり活躍していたが、シンジとくっつく要素をちょっと見いだせなかった。マリが明るくていいキャラなのは間違いないけどね。

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